サラリーマン時代の仕事
僕がやっていた仕事は技術職だ。
機械部品の設計を行なっていた。技術職ではあるが職人というわけではない。たまに出張することはあったものの、基本は毎日デスクワークで、就業中は机に向かうことしかない。
30代の頃は深夜残業もあり、苦しくはあったが給与に関してはホワイトだったので残業代で潤っていた。
40歳を過ぎたあたりから、深夜残業がキツくなってくる。金より休みが欲しいと考え始めた時期だ。
そして50代。残業嫌い、休みたい、帰りたいが口癖になる。もう家の玄関を出る前から「帰りたい」と言っていた。
この仕事は自分に向いてないのではと考え始めたのもこのころだが、すでに25年も勤めているので転職はちょっと考えられなかった。気付くのが遅過ぎた。
仕事内容はどんどん高度になり、若い社員に教えてもらいながらでないと、難しい作業はすでにできない。それなのに彼らより高い給料をもらっているのが申し訳なかった。
「自分はこの会社に必要な人間か? 労務費削減のためにも自分は身を引くべきでは」と思い始めたころ、会社が早期定年退職制度を発表した。
これだ!