「ミッション車」とは何なのか
僕の乗ってる車は走行10万キロを超えている。
今乗ってる車が通算で何台めになるのかは忘れたが、免許を取ってからかれこれ40年近く経とうとしているので、乗った台数もそれなりにある。
これまでは10万キロともなればそろそろ次の車を検討するところだが、今は無職なので迷わず次も車検を受けて乗り続けるつもりだ。
ところで、僕らが自動車免許を取った時代というのは、AT限定免許などなく教習車はMTオンリーだった。しかもAT講習も原付講習もない時代だった。
なので女性であってもMT車 (新車だとATより安い) に乗ってた人は多く、「最近坂道発進上手になったよ!」と女子がキャッキャしている光景なんかを普通に見かけたりしたものだ。
男子だってATに乗ってると同性からも異性からもバカにされる (今思えばセクハラみたいなレベル) ので、MTの平べったい車を普通に乗りこなすのが通過儀礼だった。
時は過ぎて現在、MT車はすっかり「マニアの乗り物」呼ばわりされている。まあそれも時代の流れというものだろう。
さて今日の本題に入る。
僕がいつもモヤモヤするのは、MT車のことを「ミッション車」と呼ぶ人が多いことだ。
MTは正確にはマニュアルトランスミッションという。そしてATはオートマチックトランスミッションという。つまりどちらもミッションなのに、なぜマニュアル車のみがミッションというあだ名をつけられているのか。芳本美代子か。
もっと言うと、今どきはFF車が主流なのでマニュアルトランスアクスル、オートマチックトランスアクスルであり、ミッション要素などどこにもない。
「何言ってんだこのおっさん」と言われるのを覚悟しての屁理屈なのだけど、このモヤモヤ、誰か分かってくれるだろうか。
だけど僕はオトナなので、ミッション車というワードを使って会話してる人がいたからといって「いや違うんですよ。ミッションとはね、」などと割り込むつもりは毛頭ない。頭の毛はまだある。
おそらくどんな分野であっても、一般的に使われている用語と専門用語の乖離で「違ーう!」と叫びたくなることは誰にでもあり得ると思うけど、そこで目クジラを立ててはいけない。
ここは物わかりのよい老人になるための第一歩として、我慢することと生温かい目で見守ることを覚えるべしと思っている。
余談だけど、今はトランスミッション (アクスル) の種別も豊富で、MT/ATの他にもいろいろあるからキリがないのだが、そこはクラッチペダルのない車という意味で免許証にも「ATに限る」と書かれているので、こっちは僕もおおらかだ。