早期退職おじさんの日常

早期退職制度を利用して57歳で会社を辞めました。

車から閉め出された時のこと

昨日のパワーウィンドウ閉まらない事件のついでに、今度は本物の自動車トラブルの話をしようと思う。

パワーウィンドウ閉まらない事件とは違ってオチはない。

自動車のインロック
これは車のキーを車内やトランクに置いたままドアを閉めたとき時に、うっかりドアロックしてしまうというトラブルである。

僕はこれまでで4回ほどやってしまっている。

1回目の時は、自ら墓穴を掘ったパターンだ。

車から降りる時は、通常はキーでドアをロックして車から離れる。だがキーを使わずにロックできる方法もある。ドア内側についているドアロックボタンをロック側にして、外からドアを閉めると鍵がかかる。

運転席のドアはそれで普通に閉めてもロックが解除されるが、外のドアハンドルを引き上げながら閉めれば解除はされない。

当時僕はその方法でロックする癖があり、うっかり車内にキーを入れたままやってしまった。

電子部品の少ない昔のことなので、その時は家から針金ハンガーを持ち出し、窓の隙間から差し込んで半ば強引にこじ開けた。

2回目と3回目はトランクにキーを入れたまま閉めてしまったパターン。

トランクの荷物を整理するのに、手に持っていたキーをトランクに置いて作業し、そのままバタムと閉めてから「あれっ鍵がない」と騒ぐやつ。後席の背もたれからアクセスできる場合もあるが、背もたれが固定式だったり、ドアにも鍵がかかっていたらアウトだ。

この時は2回ともJAFのお世話になった。

そして4回目、これが今日の話のメインで、今考えてもなぜドアがロックされたのかさっぱり分からないので聞いてほしい。

これも数年前の寒い冬の日のことだ。
当時僕はとあるメーカーに出向していて (途中省略)、その日は帰り際に雪がうっすらと車に積もっていた。

まずはエンジンをかけて、暖機している間に車の雪をどけようと、雪かき棒で作業を始める。

最初に屋根の上、次にフロントとサイドのガラス、ボンネット、と丁寧かつ効率的に雪を落とし、最後に車の後方をやろうと後ろに回ったその時、車内から「ガチャ」という音が聞こえた気がした。

気がしただけなので特に何も思わず、そのまま作業し終わったところでさあ車に乗ろうとしたら、ドアが開かない。なんで。

気のせいだと思っていた「ガチャ」の正体は、車がロックされた音だったようだ。

いやいやいや、そんなわけないだろ。いったい誰がどこから鍵かけたんだよ。

車を一周して、全てのドアを引いてみても全ロックである。

理由はさっぱり分からないが、僕が車から閉め出されたというのは確定のようだ。

つまり、次にとる行動は、ドライバーの心強い味方、JAFさんへ電話をすることだ。

JAFの電話番号が#8139なのは、長年の経験の蓄積で知っている。僕はベテランドライバーなのだから。

しかし、さあ電話と思ったら、スマホはカバンの中だった。つまり車に閉じ込められている。

仕方がないので、いったん建屋に戻って電話をしようと思ったが、社員証も首から外してカバンに入れていた。社員証のICチップがないと、そもそも建屋の敷地に入れない。

八方塞がりになってしまった僕は、ブルルルとアイドリングを続ける愛車の傍らで、寒さに凍えながら雪かき棒を片手にたたずむしかなかった。

とはいえたたずんでいても解決は望めない。ここは恥を忍んで、駐車場へ出てきた誰かに電話を借りることにしよう。

5分ほど(雪かき棒を片手に)駐車場口の脇で立っていたら、若いお兄さん2人組がやってきた。メーカーの一部署だけのエリアとはいえ知ってる人はほんのひと握りなので、待ち構えて出てくる人は高確率で面識のない人だ。

「すみません、実はかくかくしかじかで、JAFを呼びたいので電話をお借りできないでしょうか」

爽やかな若者は快く電話を貸してくれた。天使だ。

おかげで解決への第一歩を踏み出して心が明るくなり、相変わらずブルルルとエンジンがかかったままの車の脇で(雪かき棒を片手に)JAFの到着を待った。

その後10分ほどでJAFのおじさんが来て鍵を開けてくれ、すっかり暖かくなった車に乗り込み無事に帰宅できたのだが、未だ車がロックしてしまった理由は謎のままである。

JAFのおじさんはこう言っていた。

「車内にキーを置いたまま外に出たら、軽自動車だろうとどんな高級車だろうとインロックすることはあるんです…絶対に車から出るときはキーを持たないといけませんよ。インロックが遠因となって死なないとも限りませんからね…」