早期退職おじさんの日常

早期退職制度を利用して57歳で会社を辞めました。

30年ぶりの学生生活 〜それぞれの職場環境〜

学生生活10日間が経過した。

長らく使っていなかった脳みそをフル回転させているせいか、夜の9時過ぎには疲れ果てて倒れ込むように寝てしまう。

学校は6時限なので、会社でいう時短勤務みたいなものだし、楽勝楽勝と当初はお気軽に考えていたのに、家での復習に3〜4時間ぐらいかかっているので結果的に残業しているようなものだ。

未経験分野を真剣に勉強するってこういうものなのかとヘトヘトになっている。

 

勉強以外のところでは、クラスの人たちと会話を交わすことが増え、それぞれの個性も少しずつ見えてきた。

何よりうれしいのは、会社員時代は避けられなかった上司-部下、先輩-後輩の関係が全くないことで、うんと年下の人達からもタメ口で声をかけてもらえることだ。新鮮で楽しすぎる。

先生たちの話によると、僕たちのクラスはとても雰囲気が良いらしい。人への気遣いなど大人の対応ができるという意味だそうだ。「えっそれは当たり前のことなのでは」とも思ったが、多分それは自分が今まで置かれていた環境が良かっただけのことなんだろう。

僕が知らないような職場の人間関係も教えてもらえる。
「女性の多い職場はめっちゃドロドロだよ」とか「お局に逆らうと鬱になるまでいじめられる」「役職定年のおじさんが全く仕事しないから辞めるよう仕向けられてた」など、ドラマか漫画でしかないと思っていた世界がリアルに存在していて衝撃だ。

僕のいた会社でもパワハラなどはあったけど、しかしそういうタイプの人間のほうが仕事ができず、閑職に飛ばされるなど淘汰されていった。
部下の仕事が回らないのは上司の責任という意識が根付いていて、一人のミスを全員でカバーするのは当たり前だった。
仕事ができる人ほど人間としても完成形なので、そんなことでマウントを取ろうという人もいなかった。むしろ優しい。

ほとんどが男性ばかりの職場だったことと関係あるのかどうかは分からないけど。

会社にいた時はわからなかった「外の世界」を垣間見ることができるのは面白い。あらためて前職の会社を外から俯瞰できるのは収穫だ。
自分はいい職場にいたんだな。

でも戻りたいかと言われたら絶対に嫌だ。懇願されても戻らない。もう責任を持つことに疲れたし飽きちゃったから、こればかりは譲れない。外注でならちょっとお手伝いしてもいい。

勉強はキツいが、クラスの雰囲気が良いので当初心配していたよりも楽しくやっている。
簿記はあと3週間。まだまだ長いなー。

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金持ち貧乏な子どもの夏休みの思い出

以前ブログに自分が中高生の頃の話を書いたが、今日はその第二弾でもっと小さい時の話をしようと思う。

以前に少し触れたが、うちは僕の曽祖父の時代に財をなし、それを二代目である祖父が穀潰しとして借金を残して死に、三代目の父が借金返済をして、僕たち兄弟の時代でようやく一般的な家庭になったという経緯がある。

個別に表すと、
ひいじいちゃん→苦労して成功した人
じいちゃん→生まれてから死ぬまでボンボン
とうちゃん→子どものときだけボンボン
ぼく→家と庭だけやたら広い貧乏

という家系だ。うちが実は貧乏だったと知ったのは、高校生になってからである。学校に納める金をもらえなくて、新聞配達のバイトでセルフ調達していたのだ。

子供のときは泊まりがけの家族旅行などしたことがなく、行っても日帰りでの町内会の海水浴ぐらいしか記憶がないが、あれも実は貧乏だったかららしい。

農家でもない一般家庭のくせに、家は敷地が300坪あった。うち建屋が100坪、残りは全部日本庭園と数台分の駐車場である。本物の資産家の土地には遠く及ばないが、老舗旅館と間違われるくらいのそこそこ大きな家で、いわゆる田舎の中途半端な成金豪邸だ。

子供の僕にとっては、家の敷地内だけで十分遊びに満足できる広い家だった。長い夏休みは、遊びに来た友達ともっぱら庭でセミ捕りや鬼ごっこ、かくれんぼなどをして過ごしたものである。

庭には木(ほとんど松)が30本以上植っている。適度に丘のようなものもあり、樫の木の割れ目にはクマバチの巣などもあった。そんな木々には他にもマツヤニや毛虫があふれていたので、木登りだけは自粛していた。

また、建物の表庭と裏庭それぞれに池があり、探検と称してゴムボートを浮かべ、糸に鯉の餌を吊るして魚釣りの真似ごとなんかもしていた。

親から言われていた庭遊びのルールは2つ、「灯籠に決してよじ登るな」「石に付いてる苔を絶対むしるな」といういわゆる景観条例と安全確保である。今思えばそれだけのルールであとはやり放題とは、日本庭園も泣いていたことだろう。

雨の日は家の中で、やっぱりかくれんぼや鬼ごっこ三昧だった。100坪2階建 (現代風にいうと12LDK)、玄関は家人用と使用人用の2つがあるような家だった。隠れ場所や逃げ場所には不足しない。ちょっと凝った隠れかたをすると小さな弟には絶対に見つけてもらえないので、わざと見つかりそうな場所に隠れていたくらいだった。

また、2階にはパリピ祖父の趣味なのかダンスホールまであり、そこでは前方のステージでのど自慢ごっこなんかもやっていた。

そんな、貧乏というにはあまりに贅沢な場所で僕は育っており、あの頃はそれが普通だと思っていたのもおかしいが、今思えば本当に異質な環境だ。周囲の昭和な子供とはかなり違っていたかもしれない。

無邪気に遊んでいた陰では、親たちが固定資産税などのオトナの金の心配をしていたんだろうななどと気がついたのはずいぶん大人になってからだが、祖父は父の金すら遊びに使い倒していたから極悪非道である。

ちなみに当時の土地と家は、祖父が亡くなってしばらくしてからようやく売り渡すことができ (もちろんその金も祖父の借金返済で消えている)、現在は更地になってしまった。取り壊されたときは少し寂しかった。

近所からは金持ちの家と思われていたし、市内中に名が知られた名家wだったが、実情はこんなもんだ。しょっちゅう泥棒に入られたりもしたが、その話はまた別でお話ししようと思う。

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30年ぶりの学生生活 簿記編その1

昨日から始まった学生生活。

このところ暑すぎて引きこもりがちだったこともあり、毎日朝から出かけて夕方に帰宅するというリハビリが、いきなりハードな酷暑からのスタートになってしまった。

僕が職業訓練で受ける「総務・経理実務コース」の初めの1ヵ月は簿記を集中的に行う。

授業に入る前に、ちゃんとした計算機を用意してくるよう言われていた。「ちゃんとした」というのはスマホの計算機機能なんかじゃダメだよという意味だ。最低でも「GT」ボタンがついていないといけないらしい。そのボタンがどんな機能を果たすのかは知らないが、とりあえずAmazonでいくつか見比べて、カシオの2,000円ぐらいのものを買って持っていった。

クラスの人たちは、事務経験が全くない人が大半だが、中には事務をやっていたという人もいる。しかし、事務経験があっても経理は未経験だそうなので、全員が簿記初心者だ。みな文房具屋やホームセンターで見つくろった計算機を持ってきていて、僕とお揃いの計算機の人も何人かいた。

さて授業の内容はというと、「そもそも簿記ってなんだ」から始まり、借方/貸方、勘定科目の分類、それぞれの科目の説明といった感じ。

売上・仕入普通預金などは僕たち素人でも名前を聞けば分かるが、支払手形・租税公課・車両運搬具などのように一瞬考えてからでないと分からないようなものもある。これらを1ヵ月で「あーはいはい、これは前受金で負債の科目で受け取ったら貸方ね」と頭から引き出せるようにならなければいけないそうだ。

2日目でもう挫折しそうになった。

58歳のおじさんともなると、新しい知識が頭の中に留まっている時間は限られており、大半は右の耳に入ると同時に左の耳から出て行ってしまう。したがって、そうなっても大丈夫なように恐ろしいほどのメモ魔になる。

しかし書き殴ってとっ散らかったメモは、後から見ても何を言いたかったのか分からないのがオチだ。

なので、家に帰ったらその日に習ったことをノートにまとめ直すことにした。早い話が毎日復習することにした。

ノートにまとめてもまだ全部が暗号に見える

ノートにまとめたからといって頭に入るわけではないけれど、自己満足度は飛躍的に上がった。

これが1ヵ月も続くのかと思ったら気が重くなったが、入試を控えた学生に比べたらかわいいものなんだろう。耐え抜くぞ。

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ほぼ30年ぶりに学生になりました。

昨日が職業訓練校の「通学」初日だった。

朝の9時に学校へ到着するよう家を出て、久しぶりの通勤渋滞を味わった。なんだか懐かしい。懐かしいのだが、通学ルートが会社員時代の通勤ルートそのままなので、同時にいやーな気分にもなった。またあの会社に通うような「おうちにかえりたい」という気分。

来週からは通学ルートをちょっと考え直そうと思った。

僕が受ける職業訓練は「総務・経理実務コース」なので、いわゆる小中規模の会社の事務・経理就職を希望する人が集まっている。そのため大半が若い女性だ。20人中、男性は僕を含めて4人だった。しかもそのうち3人は僕と年齢が近そうだ。とても心強い。

午前中は館内の案内や生活面 (食事の場所など) の注意事項説明と、あとは席決めである。正面にあるスクリーンには結構細かい文字が映し出されるため、見にくい場合は前の席を優先してもらえるという。僕は老眼がまあまあ進んでいるので前のほうを希望したが、他の同年代おじさんは後ろにいた。別に示し合わせてはいないけど、ちょっと裏切られた気分だ。

そして、初めましてあるあるの自己紹介タイムが始まった。

みんながどういう経緯を経てここにくることになったかが、ざっくりとだが掴めた。

子供が3人いてもう5年以上会社員をしていないから資格を取って就職したい人、メンタル的に仕事がきつくなってしばらく療養していた人、事故で障害を持つようになり仕事を辞めざるを得なくなった人、ご主人の転勤で引っ越してきたので就職前に資格を取りに来た人などなど。おじさんにはみな同じ顔に見える若い女性も、それぞれの人生ドラマを抱えてこの場所に来ていることが分かってちょっと感動した。

小さなお子さんを抱えながらも就職意欲を持って来ている人は、生活を支えている自負があるのだろう、人一倍勉強意欲が感じられる。なんだか生ぬるい気分で来てしまってごめんなさい。と心で小さく呟いた。

とはいえいちおう僕だって、今ある貯金が底をついたらのたれ死ぬ立場の人間である。そこは若い人たちに負けない気迫で押し切るつもりだ。

僕と同年代の男性は元塾講師と元金融マンで、いずれも早期退職組だという。休憩時間にちょっと会話を交わしたところ、どちらもとても賢そうな人だった。分からないところをいろいろ教えてもらえそうでありがたい。

ちなみに元金融マンがわざわざここに通い始めた理由は、後工程しか知らないから、前工程である一般経理のことをきちんと理解したかったそうだ。前職と全く関係のないことを勉強したい (= 前の職業に飽きた) 僕とは希望理由が正反対である。

今日は4ヶ月間のカリキュラム説明までで一日が終わってしまったので、本格的に授業を開始するのは来週から。初めの一ヶ月は簿記を集中的に行うそうだ。

難しいのかな。そんなに大変じゃないといいな。まあせっかく勉強するんだから、ちょっとぐらい難しいほうがいいんだろうな。せめて脱落しないようついていかなければ。

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退職金をゲットした

来た。ついに来た。会社からもらえる最後のお金、退職金が振り込まれた。

金額は503万円だった。

中小の一般企業の定年退職金として多いのか少ないのかは知らないが、僕自身の体感では「えっこんなに!」という金額だ。

そのうち174万円は早期退職制度による特典なので、勤続30年の純粋な定年退職金は300万円ちょっとということになる。

確定拠出年金の会社負担分はここに含まれていないので、それも入れるとあと200万円程度は多いということになるのかな。

これが通常の中途退職であれば、どんなに評価が高い社員であっても60万円程度らしいので (同期社員から聞いた)、ここは素直に「こんなにたくさんのお金をありがとう」と言うしかあるまい。

先日、国民年金国民健康保険をまとめて払ったばかりで先行きが心配だったので、このレベルでまとまったお金が入ったことで心の安寧につながった。しかも定年退職金だから全額非課税というのもありがたい。

いやっほう

現在の貯金総額は650万円で大幅増額。冷静に考えればまだまだ心許ない桁数だけど、今晩だけは会社に足を向けて寝ないことにする。

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朝から家に警察が来た話

今朝は7月にしては珍しく気温が低く清々しかったので、久しぶりに散歩をしてきた。

家に戻り、汗を流すために軽くシャワーを浴びる。

風呂から出たタイミングで「ピンポーン」と玄関のチャイムがなった。まだ朝の8時過ぎのことだ。

宅急便も心当たりがないし、こんな朝っぱらからってことはきっと宗教の勧誘かな、と思いながらインターホンの画面を見たら、背中に「POLICE」と書かれた上着を着た男性が後ろ向きで立っていた。なぜ後ろ向きなのかはわからない。POLICEを強調したかったのだろうか。

しかし、朝から警察に来られる心当たりなんて全くない。

玄関の外はなんだか慌ただしく、ただならぬ気配を発していた。ひょっとして殺人事件でもあったのか。それとも転落事故かはたまたストーカーか。

ちょっと驚いて、あわててその辺にあった服を着て玄関を開けたところ、警察官が3人いた。僕の住むフロアをバタバタと行ったり来たりしている。

チャイムを押した警察官が僕に尋ねた。

「すみません、ひょっとしてお宅で犬を飼われていますか?」

「いえ飼ってませんけど」

「マンションの敷地内でワンちゃんを保護しまして、今一軒ずつ訪ね回ってるところなんです。トイプードルなんですけど、心当たりないですかねえ」

見ると、その警察官の足元で、人懐こそうな茶色いトイプードルが尻尾を振っている。とてもかわいいワンちゃんだったが、僕と目が合うなり、いきなり「ガルルル」と戦闘体制に入った。

僕は犬に吠えられやすい体質で、道を歩いているだけでもたいてい近所の犬から喧嘩をふっかけられる。外で飼われている犬なら紐を引きちぎりそうな勢いで飛びかかってくるし、小さな室内犬だって窓ガラスが割れるかと思うほど突進してくるのだ。

茶色くかわいいトイプードルも、今の僕の前ではただ目つきの悪い凶暴犬になっている。

「そういえば何度か、小型犬を抱っこした女性とエレベーターで居合わせたことがあります。」

そう伝えると、困っていた犬のおまわりさんは少し安堵した表情で礼を言って去っていった。

エレベーターで鉢合わせした小型犬も、女性の腕の中で僕を見ながら大暴れしていたのを思い出した。

言っておくが、僕は決して犬嫌いではなく、むしろ好きなほうである。犬の方が寄り添ってくれないだけなのだ。寂しい。

 

大きな事件でなかったのは良かったしむしろ拍子抜けしたのだが、それよりも驚いたのは、今どきは迷子の保護犬に警察が動いてくれるものなんだということだ。

僕の子供の頃はまだ放し飼いの犬や野良犬が多く、首輪の有無でどっちなのかを見分けていた。捨て犬も多かったし、通報するとしたら保健所で、飼い主が現れなければとっとと殺処分というのが標準スタイルだった。今の若い人が聞いたら卒倒するんじゃないだろうか。

そんな感覚がまだどことなく残っているので、警察がワンちゃんのために右往左往しているということに「ああ、日本は平和でいいな」としみじみしてしまったのである。

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職業訓練選考会の合否通知が来た

先日、職業安定所主催の「総務・経理実務コース」職業訓練選考会を受けてから、今日で6日が経った。

選考会当日の説明で「1週間以内に合否通知が届きます」と言われていたので、あれから毎日ポストを覗くのが日課になっていた。

2日や3日では合否通知が来るわけないと分かっているのに、ポストを覗いては「ちっまだかよ」とソワソワする毎日を過ごしていたのだが、6日目の今日になって、ついに封書が入っていた。

選考会のときに「受講決定者にはあらためて説明会を行なうから、合否通知に同封されている説明を読んでね」と言われていたので、合格であればきっと封書は厚みがあるはずだろうと読んでいたのだが…。

受け取った封書はペラっとしたものである。

うむ、ダメだったかとこの時点でガックリ肩を落とした。しかし、開けてみなくては分からんだろうと脳内の自分に励まされ、おそるおそる開いてみると、

中にあるのはA4サイズの紙切れが1枚だけ。その冒頭に、

 

 

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ぉおぅ、実にあっさりとした合格通知が。

受かった。マジか。受かったのか。倍率2倍の難関をくぐり抜けたのか僕は。意外とやるじゃないか。面接用スーツのクリーニング代をケチらなくてよかった。

通知書には他に、訓練開始の前日にハローワークオリエンテーションと各種手続きをやるから、印鑑とかあれとかこれとか持参で14時厳守で来てちょうだい、辞退する場合は必ず電話で連絡を。という内容のことがギッチリと書かれていた。

そんなわけで僕は、数十年ぶりに学生となることが決定した。

文面からはわかりにくいと思うが、僕は今、家のリビングで喜びの謎ダンスを踊っている。

この歳で知らないことをイチから学ぶのは大変だろうけど、今は楽しみのほうが勝っている。吸収力に優れている他の若い受講生たちに馬鹿にされないよう、がんばってついて行かなくては (所信表明)。

なめられないように威勢だけ立派なおじさん (剥製)

 

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