押し入れから出てきた札束
むかーし、今より残業成金で羽振りが良かった頃、毎年のようにハワイ旅行をしていた時期がある。
で、その頃に両替してあったドル現金が押し入れの奥にあることを最近思い出し、ゴソゴソと出してきた。$1,351 あった。
なぜ長年これを塩漬けしてきたかというと、この現金は1ドルが114円ぐらいだったときに両替したものだ。その後あれよあれよと円高が進み1ドル87円ほどにまでなってしまい、円へ切り替えるタイミングをなくしたのだ。
上記を簡単に計算すると、
114円/$ × $1,351 = ¥154,014-
87円/$ × $1,351 = ¥117,537-
つまり36,000円ほども損をすることになる。
いつかまたUSへ行く機会があるか、とてつもなく円安になるまでは、押し入れに眠らせておくのが得策だと判断し、かれこれ20年近く経っていた。というか忘れていた。
そして今、みなさんご存知の通り空前の円安ブームがやってきて、僕は久しぶりにこの塩漬けドル札を思い出したのだ。
今日は1ドルが132円。このビッグウェーブを逃すわけにはいかないだろう。
というわけで、空港へ行ってきた。
現金の両替にわざわざ空港へ?と思われるだろうが、最近は外貨の現金両替ができるところがかなり限られていて、ちょっと検索した結果、国際線のある空港で両替するのがいちばん手っ取り早いっぽいということが分かったのだ。
コロナ禍の影響で、国際線はまだ回復には至っておらず、とても閑散としていた。
その一角に、こじんまりとした銀行窓口がある。お客さんは全くいないが、大手の銀行なのでそれなりに仕事はあるんだろう。
窓口のお兄さんに札束を渡すと「ずいぶん古い紙幣ですね。ずっと取っておいたんですか?いいタイミングに持って来られましたね。」と褒められた。
現金での両替なので、かなり差っ引かれたレートで130円にも届かなかったが、それでも無職には十分ありがたい金額が手に入った。今日の交通費を差し引いても17万円ちょっと残る。
ありがとう円安、ありがとう、昔の僕。いやあ助かる。